サニー達はマイケルの家に集まっていた。
「王室の住む場所はきっと凄いんだろうねえ。」
一同はあの時王族と交わした約束で王室へ行く準備をしていた。準備といってもフェリーチェの要望で普段通りでいいとのことなので単に集まってるだけらしいが。

そしてマイケル邸の前にリムジンが到着するとサニー達は乗り込んだ。

出発から数分でリムジンは巨大な城に到着した。初めて目にする王城に一同は興奮を隠せなかった。

そして玄関前に止まりリムジンを降りると王族達が出迎えてきた。サニー達と久々に再開したフェリーチェは青と緑を基調としたプリンセスラインのドレスを着用していた。どうやらこれが王室での普段着らしい。
一同は城に入ると使用人からのおもてなしを受けた。

サニー達が寛いでいると使用人の一人が封筒を片手に入ってきた。
王族達は部屋を出て封筒を開けるとそこには恐るべきことが書かれていた。

「地球の王族どもに告ぐ。これから惑星ホットで格闘試合を開催する。地球からは4人を選手として連れて来い。もしも地球が勝ったら今までのことは水に流してやるが、逆にホットが勝ったら地球は我らが木っ端微塵にしてやる。byホット王」
手紙を読んだ王族達は困惑した。

悩む王、そんな彼らに一声かかった。
「その試合引き受けます。」
何とサニー達には完全に聞かれていたのだった。

王族達は悩むが、サニー達の要望で自家用の宇宙船を出し、一同は惑星ホットへ飛び立った。

惑星ホットに降り立つとサニー達の前にある一団が現れた。

「よく来たな。だが、貴様ら地球人じゃ我々には勝てないだろう。」
そう言ったのは惑星ホットの王であるホット王だ。

「そんなのやってみなきゃわからないでしょ!」
ルージュはムキになるが、サニーが押さえ込んだ。

「という訳でこれから我が星の選手と1対1の格闘試合をやってもらうから・・・」
ホット王はそう言うと何もないところにビームを放った。

するとそこには大きめの舞台が現れ、選手はそれぞれの位置につくと審判が解説を始めた。

「審判は公平が損なわれないよう地球とホットのハーフであるこの私が務めさせていただきます。ルールは簡単。殺しは勿論武器やドーピングは一切禁止。急所攻撃は反則とし、これらの販促行為が発覚した場合違反選手は退場処分といたします。それでは一回戦はルージュvsマグネ!!」

審判員がゴングを鳴らすと地球の運命を賭けた戦いの火ぶたが切って落とされた。

「絶対負けんぞ!」
「望むところよ!」
互の拳がぶつかり合うとルージュはパンチとキックの猛攻を繰り出した。
攻撃は少しずつ押してくが、マグネは攻撃をガードすると手から水鉄砲を発射した。

「キャアアアッ!!!」
ルージュは水鉄砲で追い込まれるが、ギリギリで体勢を立て直すと反撃に出た。

「はあっ!」
ルージュのパンチでマグネは後方に押され、舞台から落ちかけた。
(今ね・・・)
止めの攻撃を放とうとした時だった。

「!?」
マグネは攻撃を食らう寸前に体を甲羅の中に引っ込めると勢いよく滑り、ルージュに体当りした。
攻撃を食らったルージュは勢いよく吹き飛ばされた。このまま敗北か・・・誰もが負けを覚悟した時だった。

「空中で立て直した?」
マグネが驚く中ルージュは空中で体勢を立て直すとそのままマグネを目掛けてかかと落としをした。

しかしマグネは攻撃を寸前でよけると再び甲羅に引っ込め、再びルージュ目掛けて滑り出した。
ルージュはそれを避けると甲羅を蹴飛ばした。マグネはそのまま舞台から落ち、ルージュは勝利した。

「負けはしたがいい試合だったぞ。」
マグネは満足気な表情を浮かべ、客席に戻った。

「ホットチーム2番手はマース・コミー!!」
ルージュが次に戦う相手はマース・コミー。マスコミのような姿をした戦士だ。
「相手の戦い方はすべてスクープしてやるぞ。」
コミーは自信満々で舞台に出た。
「それでは二回戦はルージュvsマース・コミー!!」
審判員がゴングを鳴らし、試合が始まった。

ルージュは先手を取ろうとするが、コミーは微動だにしない。
それでもルージュは渾身の一撃を叩き込もうとした・・・そんな時だった。

「その攻撃直ぐに見切ったぞ!」
コミーはそう言って瞬きをすると一瞬でルージュを殴り飛ばした。

「なんて速さなの・・・」
ルージュは舞台から落なかったものの一瞬の攻撃に歯が立たなかった。

その後横や背後からも攻撃を仕掛けるが、全て見切られてしまう。他に打つ手はないんだろうか?そう考えた時だった。
(奴は瞬きをすることで写真を撮ったかのように相手の攻撃を予測し、攻撃される寸前に攻撃を仕掛けている。ならばこれね。)
ルージュはふと考えると超高速で連続パンチをしながらコミー目掛けて走り出した。
「まずい、これは見切れないぞ。」
ルージュの攻撃はコミーを次第に押していく。

そして

「これで終わりよ!!!」
ルージュの渾身の一撃でコミーは舞台から転げ落ちた。

「今のは早すぎて見きれなかったな。」
コミーはそう言い残しながら客席へと戻った。

「ホットチーム3番手はドレッシー!!」
ルージュが次に戦う相手はドレッシー。頭に猫耳が付いた美少女だ。
「宇宙一かわいいこの私に勝てるかニャ?」
ドレッシーは余裕の表情で舞台に出た。
「それでは三回戦はルージュvsドレッシー!!」
審判員がゴングを鳴らし、試合が始まった。

ルージュは渾身の一撃を叩き込もうとするが、俊敏な動きでなかなか定まらない。
「これじゃ攻撃できないわ。」
「宇宙の美少女と言われてるこの私に攻撃なんて無理ニャ!」
ドレッシーはそう言うと強烈なパンチを繰り出した。

(こんなの喰らったらひとたまりもないわ。)
ルージュは必死で避けながらチャンスを伺った。

そして

双方のパンチがぶつかり合うと膠着状態になった。互いに全力を出し、一進一退の状況だ。
するとドレッシーは余裕の笑みを浮かべるともう片方の手でルージュを殴り飛ばした。
「あら、もう終わりニャ?ならいい、じゃあこれで最後ニャ。」
ドレッシーはそう言うとルージュを勢いよく投げ飛ばした。

ルージュは舞台外まで投げ飛ばされてしまい、ピンチに陥ってしまう。
しかしルージュは体勢を立て直すとドレッシーを目掛けてかかと落としをした。
既のところでよけられるも連続パンチを出しながら追い込みをかけた。ドレッシーは必死で避け続けたが、徐々に動きが鈍りだしてゆく。

そしてルージュの一撃がヒットするとドレッシーは舞台から落ち、見事に勝利を収めた。
「宇宙一かわいい私が負けるなんて・・・」
ドレッシーは悔し紛れに客席に戻った。

「ホットチーム4番手はハバネロ!!」
ルージュが次に戦う相手はハバネロ。筋肉質な大男だ。
「絶対勝つんだぞ。」
「任せてください。」
ハバネロはホットとそんな会話をしながら舞台に出た。
「それでは四回戦はルージュvsハバネロ!!」
審判員がゴングを鳴らし、試合が始まった。

ルージュはパンチとキックを駆使ハバネロに叩き込む。
するとハバネロはその場に倒れたのだった。

一瞬何が起きたのか騒めくサニー達。しかしその直後ハバネロは起き上がると口から火炎放射を出したのだった。
不意打ちでの攻撃にルージュは押されてしまう。

そして

「これで終わりだあああ!!!」
ハバネロの一撃でルージュは舞台から落ちてしまい、敗北してしまった。

「せっかくここまで来たのに。」
ルージュは肩を落としながら客席へと戻った。

その後マイケル、フローラもハバネロに敗北し、残るはサニーのみになってしまった。
「敵は必ず打つわ。」
サニーはそう宣言するとハバネロに挑んだ。

サニーはひたすら攻撃を仕掛けるが、ハバネロは余裕の表情を崩さない。
「てめえの攻撃はそんなものか?」
ハバネロはそう言うと打撃攻撃を仕掛けた。

ハバネロの圧倒的な強さに手も足も出ないが、それでもサニーはめげずに立ち向かった。
「ならこれはどうだ!」
ハバネロはそう言うと猛烈な強風を起こした。向かい風にさらされマントがはためきながらもハバネロに近づくサニー。
それをハバネロはほくそ笑むと足元から風を吹き上げた。

「キャアアアアアッ!!!」
下からの風でスカートが舞い上がり、必死に押さえるが、ハバネロはこれをチャンスとばかりに向かい風に変えた。
スカートを押さえるのに気を取られたサニーは後ろに飛ばされてしまった。

サニーは舞台から落ちかけるも必死で踏ん張ると再びハバネロに立ち向かった。
「なんてしぶとい奴だ。ならこれで終わりだ!!」
ハバネロはそう言うと火炎放射で攻撃した。

「熱っ!」
強風で飛んでくる火炎放射は早さが増していて避けはしたものの熱風に怯みかけるが、それでも必死で食らいつくサニー。
するとサニーは何か思いついたのかハバネロの背後に回った。
「正面からじゃビビって攻撃できねえってのか。」
余裕を崩さないハバネロ、するとサニーは背後から強烈な一撃を叩き込んだ。

不意打ちでの攻撃にハバネロは強風を止められずにそのまま舞台から落ち、その瞬間強風は収まった。
こうしてサニーはハバネロに勝利し、地球チームは勝利を収めたのだった。

「くそおおおっ地球に負けるとは!」
悔しさを見せるホット。
「でもまあいいじゃないですか。それにこの俺を初めて敗北させたサニーと戦えたから俺は満足していますよ。」
ハバネロになだめられるホット。

「こうなったら公約通り今までのことは水に流してやろう。これからチョココロネは頭から食うことにしようかな。」
ホットの言葉にサニーは恐る恐るカナタに口を開いた。
「不仲の原因ってもしかして・・・・・・」
「チョココロネは頭と尻尾どっちから食べるのかで揉めてこうなっていたのだ。」
事の発端を聞いた一同は一気に力が抜けたのは言うまでもないだろう。

その後、サニー達は地球に帰ると王室と祝勝会が開かれ、一行は豪勢なバイキング料理を堪能した。
「戦い終わった後の食事は最高ね。」
思う存分食べ続けるサニー。

「サニーは食欲旺盛なのですね。」
「日々悪と戦ってるとお腹も空くからたくさん食べるのも好きなの。」
サニーはフェリーチェとそんな会話をしながら祝勝会は盛り上がったようだ。

終わり

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